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カセットデッキ メンテ修理用道具の紹介 その1

こんにちは。

先日からカセットデッキの修理の記事をアップしていますが、調子に乗って只今4台ほど修理完了しました。

 

修理の様子は追ってアップしていきたいと思いますが、その前にメンテ・修理用に店長の私が買った機材等をぼちぼち紹介していきたいと思います。

 

メンテ・修理の際の参考になれば嬉しいです。

 

まずは、これがないと始まらない「ドライバー」関係です!

 

定番のドライバーはこちらですね。

左から主な用途などを説明したいと思います。

一番左は、特になんの変哲もない普通のドライバーセットです。

これがないと、カバーも開けられませんので必須ですね。

残りの3つがいわゆる精密ドライバーです。

どう違うかといいますと、まず黄色い精密ドライバーセットは、普通のプラス・マイナス以外に特殊なネジでも回すことができるセットになっています。

 

仕事用のiMacのHDDが故障したときSSDに交換する際、iMacは特殊なネジを使っているので、それ用に買ったのが、カセットデッキの修理にも役立っています。

 

 

 

次の金属の取っ手のものが、いわゆる普通の精密ドライバーです。

特に何もひねりもないモノです。

 

最後のカラフルな精密ドライバーは何かといいますと、これは電子機器専用の精密ドライバーです。

普通の精密ドライバーと何が違うかといいますと、一般的に精密ドライバーに限らずドライバーは大体先端が軽い磁石になっています。

 

これは、ネジを回しやすくするためと、外したときに容易に落ちないようになんですね。

こらはこれでとても便利なんですが、カセットデッキのような精密機器の場合、ちょっと厄介なことになります。

 

1つ目は、基板上にある各種調整用の可変抵抗を調整する際、ドライバーが磁気を帯びていると、磁気が周りの部品に影響を与えて正確な調整ができなくなる場合があるんですね。

 

 

もう一つは、これはカセットデッキなどのヘッドを扱うものに限られるんですが、カセットデッキのヘッドの調整の際、特にアジマス調整の場合、ヘッドの下にあるネジを回して調整します。

 

その際、磁気を帯びたネジで調整すると、ヘッドが帯磁する可能性があるわけです。

カセットがなぜ録音再生ができるか、簡単にいうと、磁石の磁力の有無をヘッドを通じてカセットテープに記録しているんですね。

なので、ヘッドが最初から帯磁していると、正確に記録ができなくなるんですね。

 

なので、できるだけ帯磁させないように調整するのが理想なんです。

 

この精密ドライバーは、よく見ると先端が白いですね。

実は先端は一般的な金属ではなくて、ジルコニア系セラミックという特殊な素材でできています。

セラミックは陶磁器の素材なので、帯磁しないんですね。

 

なので、磁気が影響する部分の調整には、正確にはこの非帯磁系ドライバーを使うのがセオリーになります。

セット版になると結構なお値段がしますね。

 

 

ウォークマン WM-2のアジマスを調整中!
ウォークマン WM-2のアジマスを調整中!

こんな感じで、ドライバー一つでも用途がいろいろあるんですね。

このようないろいろなドライバーを使い分けながら、メンテ・修理をやっております。

 

また、デッキのメンテナンスではないのですが、自分やお客様からのカセットテープに不都合があったとき、カセットテープを分解して修理することがあります。

 

カセットテープも、もちろん磁気テープそのものですから、帯磁したもので扱うのはよろしくありません。

なので、その際もこのようなドライバーと、プラスティックのピンセット等を使います。

ピンセットは100均ので十分ですね。

金属製のは、きちんとしたのを買いましたが、、

 

長くなりましたので、今回はこれくらいですが、次回も道具の続きをやりたいと思います。

お楽しみに〜