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カセットテープの基礎知識講座始めました(^^)

カセットダビング専門店 メモリーアルバム店長の木塚です。


さて、ダビングの仕事がNHKの番組になるなど、昔のアナログの音や映像を末永く残したいと思われる方がいらっしゃる一方で、今の若い方にもじんわりとアナログの面白さが広がっているようです。

 

先日ネットでたまたま日刊ゲンダイの記事を見つけたのですが、こんなことが書いてありました。

カセット復活の兆し 今やアナログは「ニューメディア」だ

「カセットテープは若者から“音に温かみがある”“オシャレだ”と見直されてきています」(デジタルメディア評論家の麻倉怜士氏)
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/169262/

ちょっと前の記事ですが、日刊SPAの記事でもこんな感じで書かれてます。

なぜ今さら? 若者がカセットテープに注目する理由
音楽はダウンロードして聴くスタイルが主流になりつつある現代。一方で、昔懐かしいカセットテープがブーム再燃の兆しと聞く。
(途中略)
若い世代にとっては、存在自体が新しく、「めんどくさいけど、カッコいい」そうだ。

ちなみに、経済産業省の統計では、データ記録用磁気テープの生産量が’10年以降3年連続で増加中。震災後、データ保存用としての信頼性や、大容量化などから、磁気テープが見直されているという。

カセットテープやレコードなどのアナログの人気が高まるのは店長としては本当に嬉しいですね。
でも、今の若い方々がカセットやレコードなどの情報を手に入れようとしても、古本かネットで調べるしかないのではないでしょうか。

 

しかも断片的なことや、マニアックすぎることしか書いてなかったりして、基本的な事を書いているサイトはなかなかないようです。

 

そこで、これからカセットやレコードなどのアナログの基本中の「き」から、応用までじっくり解説してみたいと思います。

 

評判が良かったらシリーズ化して書いていきますので、乞うご期待!
同時に、あなたのカセットやレコードなどの素朴な疑問をお待ちしています!
下のコメント欄にコメントいただければ嬉しいです。


どちらかといいますとカセットが得意ですが、レコードも頑張って答えていきますよ(^^)

さて、第一回目は、「カセットの仕組み その1」です。


中年世代の方にはあまりにも身近にあったカセットなので、仕組みについてはあまり説明する必要はないかと思いますが、意外と知られていないこともあるんですねぇ。

そこで、今回は、カセットの仕組みの基本について書いてみます。

 

まず、カセットですがここでいうカセットは、カセットテープを指します。
こんな感じのものですね。

 

まず、カセットはどんな部品から出来ているのでしょうか?
主な部品を挙げますと、

  • テープ

これは、音を記録する部品になります。カセットで最も大切な部分ですね。
写真のようにまさにテープになっています。
色は茶色が普通ですが、高性能のテープだと焦げ茶、黒色なんかもあります。
 

  • ハブ

これは、テープを巻く部品ですね。
写真の矢印の白い部品です。
テープだけだと巻いてもぐちゃぐちゃになっちゃいますので、このハブという部品に巻いて回すんですね。
このハブができるだけ真円に近くないと、テープが上手く巻けないので精度が重要な部品ですね。

  • カセットケース

これは、その名の通りテープを入れるケースですね。
いわゆるカセットのイメージをかもしだしている部品です。
それがカセットのような形をしているのでカセットケースと言われています。

 

カセットにテープが巻いてあるので、カセットテープなんですね。


カセットテープとカセットは日本ではほとんど同じ意味で使われていますが、カセットのそもそもの意味は、小さな箱の意味だそうです。

カセット(フランス語・英語、cassette)は、小さなケース(箱・容器)、小箱。
古いフランス語のcasse(箱・容器。英語のケース case の語源)に由来し、縮小辞 -ette(小さな〜)をつけ、宝石箱などを指す。

https://ja.wikipedia.org/wiki/カセット
ウィキペディアより

  • テープパッド

パッドとは

パッド、パド (Pad)
衣服の形を整えるために使用する詰め物。「胸パッド」「肩パッド」など。

衝撃などを弱めるため、身体や器具に当てる物。

https://ja.wikipedia.org/wiki/パッド
ウィキペディアより

と書いてあるとおり、形を整えたり、衝撃を弱めるための当て物になります。
ではカセットテープでは、何に当てるのかというとテープと音を記録するヘッドという部品とを当てる際に、その圧力を一定に保つ部品となります。
この部品です。

カセットテープの後ろにあって、テープとヘッドが適度な圧力で密着するように調整している部品になります。
これもとても大切な部品になります。

 

ただ、このパッドですが、再生・録音時に常にヘッドが当たる部品なので、年数が経つとどうしても劣化して正常に圧力が出なくなります。

 

そこで、当店が使用していますNakamichi Dragon(ナカミチ ドラゴン)のカセットデッキでは、このパッドとヘッドがわざと接触しないように、写真のようにパッドリフター(パッドカバー)がついています。

この部品があることで、パッドが劣化してもテープとヘッドが正常に接触するようにしているんですね。

 

じゃあヘッドとパッドの接触はどのようにして、やっているかというと、2本のキャプスタンの回転スピードを微妙にずらして、テープをピンと張るようにしてるんですね。

恐るべしドラゴンです(^^)

  • カセットシート

これはカセットケースの内側にあるもので、その名の通り薄いシート状の部品です。
こんな感じですね。

 

昔のカセットは、色が黒いのが多かったのですが、比較的最近のはカセットケースが透明になったのが多くなったので、シートもそれに合わせて透明になっています。

この部品の役割は、カセットテープがカセットケースで回転するんですが、そのときの摩擦を軽くして、テープがスムーズに回るようにすることです。

 

カセットテープがスムーズに回らないと、音が正しく録音できなくなるので、これも大切な部品になります。

  • ガイドローラー

これは、カセットテープがカセットケースの中で回って進むのですが、片方のハブからもう片方のハブへ、ブレないようにスムーズに進むようにする部品です。
写真では赤い部品になります。

 

丸いローラーのようになっていて、中が少しだけ凹んでいます。
この凹みの部分にカセットテープが通るようになっています。

  • ネジ(ビス)

これは、カセットケースをつなぐための部品ですね。
普通は四方に1つづつ、真ん中に1個の合計5つあります。

 

最近のカセットテープは、超音波溶着といってネジを使わず超音波で接着しているのがほとんどですね。

これは精度を上げやすいのと、コストカットのためだと言われています。

ただ、テープが切れて修理しようと思っても、ネジだと簡単に分解できるんですが、超音波溶着だとカセットケースをドライバー等でこじ開けないといけなくなり、必ずカセットケースが壊れてしまうんですね。
なので店長としては「うーん」って感じですね。

 

主な部品はこんな感じです。
見た目は何のことはないようですが、カセットって結構いろんな部品が集まってできていると分かっていただけたでしょうか。

次回は、カセットテープにはA面、B面があることや、カセットデッキやラジカセへのテープの入れ方など、またまたカセットテープの基本を解説してみたいと思います!

 

カセットテープのダビングはメモリーアルバムまでどうぞ!